
ヴィーナス
天野タケル





時空を超えたアイコン、永遠のヴィーナス。
いつも同じだけれど、常にどこか違う。
ヴィーナスについて深く考える時、新しい発見はあるのか?
愛と欲は世界を動かす原動力であり、それは全ての創造のエネルギーとなる。
ヴィーナスは僕たちの情熱を映し出す鏡の集合体だ。
芸術家にとってはミューズであり、統治者にとっては力の源泉となる。
天野タケルの色彩の世界に迷い、ヴィーナスの謎に迫ろう。
そうすれば人間性の深淵へとヴィーナスはきっと僕たちを導いてくれるだろう。




天野タケル
天野タケルは宗教画や静物画などの伝統的な題材とポップ・アートを融合させた「NEW ART」という独自の表現方法を持つ日本のアーティスト。1977年東京生まれ。10歳くらいの時に東京のデパートで開催されたキース・ヘリングの展覧会を訪れ、そこでキースが店の壁を使って絵を描いている姿に衝撃を受け、紙の代わりに、近所のプールの壁にスプレーで花を描いてみることに。これが色彩豊かな彼のキャリアの始まりとなった。
絵描き一家の長男に生まれてきた彼は生まれながらにして筆を持っているようなものだった。絵を描く行為はあまりにも日常の一部だったため、様々なテクニックを独学で身につける。1997年に渡米し、ニューヨークで版画を学ぶ。2000年に帰国した彼はニューヨークのネオポップと、日本の伝統的な絵画の要素やアイデアを組み合わせた作風で活動を開始。
天野タケルの世界は、彼が育った20世紀末の日本文化にインスパイアされたユニークなもの。西洋の古典絵画に着想を得て、哲学的、あるいは神話的な題材に、「かわいい」や「マンガ」といった東洋の現代的要素を取り入れたポップでシュールな唯一無二の作風は不動の人気となる。その作品は東京、香港、ニューヨーク、ロンドン、パリほか国内外で発表され、絵画の伝統を現代へと繋ぐ架け橋として、高い評価を得ている。
画家として絵画作品を発表するほか、ミュージシャンのジャケットアートワークデザインやファッションブランド「ヨウジヤマモト」や「ISSEY MIYAKE」とのコラボレーションなど、ジャンルレスな活動も注目を集めている。
キャリア20周年となる2020年に初の作品集『ICONS』を出版。それ以来、彼のキャリアは急上昇し、国際的に認知され、世界中で展覧会が開催されるようになる。2022年には彼の代名詞とも言える『VENUS』を発表した。


